2017年 05月 29日
イギリスで出会ったイラクサのお茶
ガーデナーの友人から“これは美味しくて体にも良いから試してみて”と勧められた、イラクサのお茶。
イギリスのスーパーマーケットで、その小さな箱を手に取り、どんな味がするんだろうと一瞬ためらいました。
イラクサ(Nettle)といえば、思い出すのは、イングランド南部・デボン州のアーリントンコート。
ここは英国の自然保護団体ナショナル・トラストが管理する庭園で、ボランティア“ワーキングホリデー”の活動の一環に、イラクサの除去作業があったのです。
イラクサを抜くのは簡単ではなく、手袋をはめていても、腕や足の一部がトゲに触れると、チクチクピリピリと痛みました。
アンデルセンの童話「白鳥の湖」では、魔女の呪いをとくためにイラクサの服が必要で、お姫様はイラクサのトゲで傷つきながら服を編んだのだった、と思い出しながら、なるべく肌で直接触れないように気をつけて作業しました。
季節は7月の終わり、まぶしい陽射しがさんさんと降り注ぐ庭で、一緒に作業していた男性はTシャツにハーフパンツ姿。
イラクサに触れた足は、みるみるうちに真っ赤になりました。
そんな時、「こうすれば大丈夫」と、彼は1枚の葉っぱを手に取り、傷口に塗り付けました。
それは「ドックリーフ」といい、その汁を肌に塗るとイラクサの痛みを和らげる効果があり、「イラクサの生えている近くには必ずある」のだそうです。
ドックリーフに助けられ(?)何とか無事に作業を終えることができましたが、イラクサというと「トゲが痛い厄介な草」というイメージがついてしまいました。
さて、購入して日本に持ち帰ったイラクサのお茶。
ティーバッグの匂いをかぐと、乾いた草のようなやわらかい香り。
お湯を注いで蒸らし、いただきます。
一口飲むと、爽やかな香りと優しい味わいが広がりました。
くせもなく、本当に美味しかったです。
ところで、RSPB(英国鳥類保護協会)によると、イラクサは自然界の中でも大切な役割を果たしているのだそうです。
イラクサは40種以上もの虫のすみかになり、虫は鳥たちの食べ物になります。
たとえば、アブラムシを食べるテントウムシや、ブルーティットがやってきたり、その種はイエスズメやチャフフィンチ(Chaffinch、和名:ズアオアトリ)の食べ物になります。
鳥以外にも、虫を食べるハリネズミやトガリネズミ、ヒキガエルなどがやってきます。
RSPBでは「イラクサは早く刈り取らなければと思われがちですが、少しだけ野生動物のために残しておいて」と呼びかけています。
美味しくて体に良いだけでなく、様々な生き物の役に立っているイラクサ。
イラクサのお茶をきっかけに、そのイメージは一変しました。
そして、次にイギリスに行くときは、もっと大箱のお茶を買おう、と思うのでした。
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